Mcusta
ダマスカス鋼折りたたみナイフ, 2000年から関の刃物師
哲学
1964年からダマスカス鋼を専門とする刃物師の家系が関で作る折りたたみナイフと包丁。工業生産、手仕上げ。Silky、Mcusta、Zanmaiの三ブランドを一つ屋根の下に、0.1mm単位の精度へのこだわりが貫かれている。
歴史
13世紀に刀鍛冶の元重が移り住んで以来、関は日本の刃物の首都であり続けている。この地で1964年、長谷川昭二が丸章工業を創業。最初はダマスカス鋼の鋏を「Silky」ブランドで製造していた。多層鍛造の技術を鋏で36年間磨いた後、ナイフへと応用する。
2000年、Mcustaブランドが誕生。名前の由来は「Machine Custom」。量産品でありながら手仕上げのナイフだ。ブレードはレーザーカット、部品はCNC加工で0.1mm単位の精度を確保。その後、職人の手で研磨し、メカニズムの遊びを調整し、日本の砥石で刃を付ける。カスタムナイフのような開閉を、量産価格で実現する。
2006年、包丁ブランド「斬味(Zanmai)」を立ち上げる。Beyondラインは、HRC 64の青紙スーパーを三枚合わせで構成。超硬の炭素鋼コアをステンレスで保護する。ねじれた八角形のヒノキ柄とモザイクピンがシリーズの象徴だ。
現在も長谷川家が経営。泰久が会長、息子の智洋が社長。三代目、同じ関の工場。カタログはEDCフォルダーから、戦国シリーズ(武将への敬意、SPG2三枚合わせ)、四神シリーズ(世界限定50セット、智洋が直接署名)まで幅広い。
技術の中核は自社鍛造のダマスカス。VG-10コアをステンレス外層で挟み、33層に仕上げる。酸処理後の紋様は一本ごとに異なる。装飾的であると同時に、多層構造は単一鋼材より衝撃吸収に優れる。
愛好家の評価は一貫している。仕上げは申し分なく、ダマスカスは本物、ライナーロックは市場最高水準。Zanmai BeyondはMiyabiやShunより上と評されることが多い。議論は価格 - セミインダストリアルとしては高い。そしてVG-10はS35VNやM390に比べて時代を感じさせる。だがMcustaは仕上げで補う。他社が鋼材を売る場所で、Mcustaは完成品を売る。
鍛冶職人でも量産工場でもない。機械が骨格を作り、人の手が差をつける工業工房。その名前が初日から語っている。
アイコニック商品
Shinra Maxim
関のダマスカス折りたたみナイフ。VG-10コア、驚くべき機械精度のライナーロック。ココボロまたはパッカウッドハンドル。Mcustaのアプローチを要約するシグネチャーモデル。
Zanmai Beyond (couteau cuisine)
HRC 64の青紙スーパー包丁。三層三枚:炭素鋼コア、ステンレス外皮。カミソリのように切れる。愛好家の間ではMiyabiやShunより上と評されることが多い。手入れを要求するが、手をかける者に報いる。
Tsuchi (MC-113D)
槌目ダマスカスEDCフォルダー(槌=日本語でハンマー)。オリーブウッドまたはココボロハンドル。コンパクト、ライナーロック、片手開き。注目を集めるポケットナイフで、驚くほどの切れ味が語られる。